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「Kenshi」の開発会社、Lo-Fi Gamesの発信する情報を日本語にてお届けします

「Kenshi」7月のコミュニティ・アップデート




こんにちは、’Caliburn’が、『Kenshi』のコミュニティアップデートをお届けしています。前回に引き続き『Kenshi』のサポート状況や、Lo-Fi Gamesのチームメンバーが在宅勤務中どのように過ごしているか、そして『Kenshi 2』の開発の進捗についてなどお知らせします。

「Experimenal Branch」の再帰

先月は「Experimenatl Branch」にて、最新版Windows アップデートにより派生したゲームセーブ問題の解決に励みました。多数のユーザーより、この最新Windowsアップデート後、ゲームをセーブする事も、ロードする事も出来ず、また何を変更してもクラッシュするとの報告を受けたためです。『Kenshi』の最新アップデート、バージョン1.0.50以降、ゲームデータはデフォルトでWindowsのユーザーディレクトリにセーブされるようになり、システム・パーミッションに関連した問題は解決されました。セーブされたゲームの変更などを行う際には、C:\Users<YourUsername>\AppData\Local\kenshi\saveにてファイルを見つけることができます。

解決するための定義

上記に関わることでもありますが、以前から気になっていたバグ報告の流れを変更しました。最も頻繁に報告されている似通ったバグをまとめ、古くから残っている課題を整理し、新しいバグの報告やその対応状況などを見つけ易くしました。今後はそれらのバグをプログラミングのチームがゲーム内で再現、検証し、解決手順を書面に落として行けるよう、バグ報告の仕方も変えていきたいと思っています。最終的に『Kenshi』のバグを可視化し、プレイヤーから報告された問題の解決法の有無や解決状況をフィードバックするのがその目的です。これらの変更に関する詳細はこちらをご参照ください。

「Kenshi」ファンの皆さま、こんにちは!

以前のブログにて『Kenshi 2』開発のため、新メンバーがスタジオに加わったことをお知らせしました。『Kenshi 2』のサブプロジェクト(このブログの最後に詳細が書かれています)も佳境に入った今、チームメンバーの紹介と、スタジオ外での活動、在宅勤務環境などを聞いてみました。

Guy ‘Warls’ Warley (コンセプト・アーティスト)
こんにちは、コンセプトデザイナーのGuyです。グラフィックデザイン、イラスト、広告などの仕事経て、今の仕事に就いています。このチームには2019年の11月に加わり、『Kenshi 2』の世界の建造物や家具、キャラクターなどのコンセプトに関わっています。

在宅勤務環境:
最近、今まで使っていたWacom Intous 3をWacom Cintiq Pro 24に買い換えました。この12年間使ってきたIntuos3(今でもまだ使えます)に比べると大きなアップグレードとなりました。購入時は、慣れるまでにかなりの時間を要すのではと心配していましたが、今では毎日快適に使っています。CintiqはMacBook Pro(レティナ、15インチ、2015年半ばに購入したもの)に繋がれており、フォトショップとの相性も良いです。

『Kenshi 2』の作業を在宅で行う事について:
もうすでに何年も在宅勤務を続けているため、ルーチンが決まっており、この環境には慣れています。でも皆と一緒に働ける環境が羨ましくも思います。同じ場所にいればプロジェクト内の細かな部分まで皆と話し合う事が出来るだけでなく、会話をするためにタイプせずに済むからです!

ライフバランス:
このロックダウン中は故郷の東ヨークシャー海岸近くで過ごしています。走ったり、歩いたりして気を紛らわしていますが、朝ヨガも始めました。あまり上手くはありませんが、楽しんでいます。
仕事以外では、アルバムカバーなどのイラストを描いており、最近では3人のエレクトロニクス・アーティストのカバーを完成しました。


過去にフリーランスをしていた頃のプロジェクトには、マッドアンドレーザーRPGの『ランサー』や、未来を描いたコミック『The Hand Unseen』のカバーなどがあり、それらを見かけた方もいるかもしれません。
現在は、昨年個人のプロジェクトとして描いたアキラのポスターに続き、大好きなスタジオジブリ製作の映画のポスターを描いています。

Victor ‘Mr4Goosey’ Goossens (テクニカル・アーティスト)
こんにちは、ビクターまたはMr4Gooseyです。5年以上個人プロジェクトのインディゲーム開発を続けており、その半分は仕事として成り立ってきました。ですが、個人事業主として続けていくことに嫌気が差し、正社員の仕事を探している時にLo-Fi Gamesに巡り合いました。私は美しい物を作るのが大好きで、それをロジックやプログラミングのスキルに結びつけられ、両方のスキルが活かせるテクニカル・アーティストになりました。

在宅勤務環境:
2年前に最高スペックであったRyzen 7 2700X と GTX1080をベースにしたPCを購入し、今でも使用しています。周辺機器では、自分の手にぴったり合うDecusのゲーム用マウスとリストレストが付いたマウスパッド、リストレストが付いたRazer Blackwidow (緑のスウィッチ)を使っています。あとは、もう5,6年は使っている34インチのLG製の超ワイドモニターと27インチのAOCモニターを使っていますが、超ワイド型のモニターは、業務をするのに適していないため、通常の27インチか24インチの物に買い換えようと思っています。

『Kenshi 2』の作業を在宅で行う事について:
もう何年もインディゲームの開発をしているため、在宅勤務には慣れており、今までと何ら変わらないと思っています。出社して仕事をする方が、むしろ違和感があるかもしれません。とはいえ、決して在宅勤務を好んでいるわけではありません。自分の場所で、自分の物に囲まれ、何もかも一部屋で解決してしまうのは良いですが、仕事と個人の時間の境界線がなくなってしまうのも確かです。また、皆同じ場所で働いていないと、自分のチームを良く知る事ができず、仕事自体がそれほど楽しくなくなってしまうのも残念です。ですから、出社して働くことを楽しみにしています。家で働くのはそれほど効率的ではありませんし、人と会えないのも楽しくありません。寂しくて、つまらないことも多いです。

ライフバランス:
幾つか新しい趣味を始めました。まず、個人のゲーム開発プロジェクトを始めましたが、できるだけPCから離れる努力もしています。最近始めた主な趣味は、鍛冶です。恐らくイギリスに引っ越すまで鍛えることはできないと思いますが、防具を作る予定です。まだまだ学ぶことは山とありますが、ゼロから防具を作り出すのはとても素晴らしいことです。


また、電子工学やロボティックスについても学び始めました。個人でゲーム開発をしている間は控えていましたが、これからはきちんと学ぼうと思っています。まずは基礎知識を得るため、読書から始めています(サーボとは何かまだ説明できません)。知識を取得した上で、さらにもっと学んでいきたいと思っています。
ゲームの開発も継続しています。最近では、UE4用に作られている、PhyronnazのVoxelというプラグインを使い、ポリゴン数の少ないエコドームに可愛い動物たちが群がる小さなゲームを作っています。最終的にそれがどうなるかは分かりませんが、いつかSteamでリリースし、『Islanders』と同様に少しでもお金になればと思っています。

Harrison ‘Boodals’ (プログラマー)
こんにちは、11月からチームに加わったBoodalsです。今まで『Kenshi』のGUIをUnreal 用に作り直す作業を進めてきましたが、Craigが加わったたこともあり、もっと時間がかかるコードの整理や安定性に繋がる作業を進めています。ここで詳細は話しませんが、私の仕事は安定性のないコードが書かれないよう注意しながらプログラミングの作業を迅速に、且つ容易に進められるようサポートする役割です。

在宅勤務環境:
家で勤務するようになってから、ほとんどのタスクを自分のPCで進めています。仕事用のPCもあるのですが、家のデスクには大きすぎるため、自分のPCを使い、4KスクリーンでGUIのテストや、ハイレゾでの検証などを行っています。

『Kenshi 2』の作業を在宅で行う事について:
自宅で勤務できるのは、寝坊ができ、簡単にお菓子が食べれるので(笑)素晴らしいですが、良くない面もあります。他のデベロッパーと簡単に話せず、自分の作業を見せられないため、仕事を進めるのは容易ではありません。現在、様々なアプリやプログラムを使ってその問題を解決しようとしてはいますが、同じ部屋で作業するのには敵いません。

ライフバランス:
自分の時間に関して言えば、幸いもともと家に引きこもるのが苦ではない性分なので、ロックダウンだからといって特に生活に変わりはないように思います。ロックダウンが始まる直前に引っ越しをしたので、新しいハウスメートや彼らの猫と時間を過ごしています。その猫のテリトリーとなっている階段や、廊下、台所に行き、彼女に出くわすと撫でることでその存在に敬意を払っています。



宣言できるプロローグ

7月中は、皆さまにもほんのちょっとお見せできる『Kenshi 2』の「バーティカル・スライス(縦のスライス)」を完成させるため忙しく過ごしました。

「バーティカル・スライス」とは、完成にほど近いクオリティのゲームのごく一部という意味で、スタジオが開発してきた工程を初めてゲームとして遊ぶことのできる状態を指しています。プロトタイプよりさらにクオリティが高いもので、柔軟性には欠けますが、Lo-Fi Gamesではそれを主に繰り返し検証できるデザインツールとして使っています。社内では、これに「コンクリートネオン」というあだ名を付け、『Kenshi 2』のアイデアをデザイン書類とは全く異なる空間で体験し、ゲームがどのようにプレイされるか繰り返し検証しています。

クリス・ハントによると、「コンクリート・ネオン」は『Kenshi』でホーリーネーションを建国したのと同じ位のマイルストーンであり、そのゲームデザインの進め方についてこう語っています。

「『Kenshi』をアーリーアクセスの最も早い時期にプレイした誰もが、ホーリーネーション周辺のほんの一部でしかプレイできず、それ以外の完成していないマップは灰色に塗られて、進むことができなかったのを覚えているんじゃないかな。まだゲームが完成していなくても、この方法は早い段階からゲームを体験してプレイすることで、全てがきちんと動いているかを検証できるテストベッドになるんだ。私は型破りなデザイナーだから、ゲームを繰り返しプレイし、【空腹スピードは0.8倍にしよう、力強さも1.08倍ではなく、1.12倍にしよう】といった調整のテクニックを使うことが自分の「特別なスキル」だと思っている。その方がゲームデザイナーとしてではなく、プレイヤーとしてゲームをデザインできるからね。ゲームデザイナーはあまり好きじゃないんだ。」

今月は少々遅れてブログを上げていますが、皆さまからのコメントや、他のゲーム開発をフォローされている方には、その考察などお送りいただけたら幸いです。また、まだTwitterNiconicoなどでフォローいただいてない方は、近々、賞品が決まった時点でクリエイター向けのコンテストを開催する予定ですので、是非フォローをお願いいたします。また、情報をメールにて受け取りたい方はこちらからメーリングリストにご登録ください(英語のみ)。

では、また

Sam ‘Caliburn’ Hills